Brooklyn Oenology(ブルックリン・オノロジー)〜ニューヨークワインの作り手にインタビュー〜

投稿日: 2015年9月23日 カテゴリー: Brooklyn, Food, NewYork, TOPICS


Brooklyn Oenology Tasting Roomは、ブルックリンのウィリアムズバーグにあるワインのテイスティングルーム。

今年の1月にお店のご紹介をしていますが、今回はオーナーのAlie Shaperさんにお話を伺いました。

Brooklyn Oenology(以下BOE)は、2006年にAlieさんが立ち上げたワインブランド。Alieさんは毎年、ニューヨーク州北部のフィンガーレイクス、およびニューヨーク市の東に位置するロングアイランドの農家から葡萄を購入し、ロングアイランドのワイン製造施設でワインを作っています。

出来上がったワインは、BOEブランドとしてAlieさんが経営するウィリアムズバーグのテイスティングルームで販売されています。また、こちらのテイスティングルームでは、BOEワイン以外にも、ニューヨーク州のワインを楽しむことができます。

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Q. Alieさんがワイン作りに携わるまでのいきさつを教えてください。

A. ワインの作り手になる前、私は様々な観点からワインビジネスに携わってきました。例えばニューヨーク州ハドソンバレーにあるワイナリーや、ニューヨーク市内のワインショップで接客を担当しました。

お客さんとワインの話をする中で、どんなワインが好まれているか、消費者はワインに何を求めているのかということを学ぶことができました。また、お酒の卸売会社に勤めた経験もあり、ワインを買い付ける方法も身に付けました。

実は、ワインビジネスに携る以前は、大学で理系の勉強をしていました。小さい頃から音楽やダンスを習っていて芸術が好きだった私は、ワインビジネスに携わる中で、科学的なものと芸術が合わさった仕事がしたいと思い始めていました。

これが、ワインの作り手を目指すきっかけで した。ワイン作りには葡萄の配合など科学的な分析を必要とする面がある一方で、味を創り出すという芸術的な面がありますから。

ワインのマーケティングに精通していたものの、ワイン作りの知識や、葡萄農家とのコネクションは不十分だったため、ワイン作りを学ぶべく約2年間、ロングアイランドにあるPremium Wine Group(ワインを製造施設)でインターンシップをしました。この2年間で、自分が作りたいワインのコンセプトを固めることができました。

そして、ついに2006年に自分の会社を立ち上げ、ワイン作りを開始しました。初めて作ったワインは、白ワインがシャルドネ、赤ワインがメルローでした。

 

Q. Alieさんはニューヨーク州の葡萄のみを使ってワインを生産しているとのことですが、ニューヨーク州の葡萄で作られるワインの特徴は何ですか?

A. ニューヨーク州、特に北部にあるフィンガーレイクスは寒い地域です。

こういった寒い地域の葡萄から造られるワインはとても繊細な味になるのが特徴です。また、ニューヨーク州は南北に広く気候や土壌も違うため、北部のフィンガーレイクスと南部のロングアイランドでは、同じ葡萄の品種でも違った味のワインになるのも特徴ですね。

 

Q. Alieさんは年間どれくらいのワインを生産していますか?

A. 葡萄の出来が天候に左右されるためワインの生産量も年によって変わりますが、昨年は25品目、合計4,600本のワインを作りました。

BOEブランドのワインが中心ですが、私のビジネスパートナーとのコラボレーションで作るShindigというブランドのワイン、そしてレストランや小売店用にカスタマイズのワインを作っています。

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Q. ブルックリンでテイスティングルームを始めることになったきっかけを教えてください。

A. 私が2006年にロングアイランドでワイン作りを始めた頃、ニューヨークで地産地消の動きが少しずつ始まっていました。

ニューヨーク市内に住む人々にも、もっとニューヨーク州のワインを身近に感じて欲しいと思い、ブルックリンにテイスティングルームを作ることにしました。そして2010年11月にウィリアムズバーグにテイスティングルームをオープンさせることができました。

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Q. BOEワインはラベルも個性に溢れていて印象的です。どのようなこだわりを持っているのですか?

A. BOEワインのラベルのデザインは品目ごとに違ったデザインになっていて、どの品目も毎年デザインを変えています。

ラベルのデザインは、ブルックリンに居住していたり、スタジオを持っているなど、何かしらブルックリンにゆかりを持つアーティストの作品を使用しています。

通常は、こちらからアーティストにラベルデザインの依頼をするのではなく、すでに出来上がった作品でBOEのコンセプトに合致するものを見つけたら、それを使わせて欲しいとこちらから依頼します。この方が、デザインテーマを差し上げるよりも、アーティスト自身の芸術に対する真の情熱が作品に映し出されていますからね。

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Q. アーティストと共同でイベントを実施することはありますか?

A. 実はこのブルックリンのテイスティングルームは、アーティストの作品を展示するギャラリースペースにもなっています。ちょうど今(取材時9月初旬)は、ブルックリンで活躍する日本人アーティストの作品を展示していますよ。

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Q. ブルックリンのテイスティングルームではどのようなワインが人気ですか?

A. 一番の人気はBOEの看板商品であるSocial Club Whiteです。

7つの葡萄品種(シャルドネ、ピノ・ブラン、ソーヴィニヨンブラン、リースリング、ヴィダル・ブラン、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ)をブレンドした、フルーティですっきりと飲みやすい白ワインです。とても人気のワインで、Social Club Whiteだけで生産全体の20%を占めています。

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Q. Alieさんがお薦めするBOEワインを教えてください。

A. 今一番お薦めしたいのは、この秋に発売するオレンジワインです。

白ワイン用葡萄品種の果皮から抽出される色素によってワインがオレンジ色に仕上がります。とても珍しいワインですよ。秋に旬を迎えるカボチャや根菜と良く合うワインです。

 

Q. 今年ももうすぐワイン作りが始まりますが、今年のワイン作りの抱負をお聞かせください。

A. 今年は寒い春が長く続いたので葡萄の成長が心配でしたが、夏はとても暑くなったため葡萄も一気に成長してくれて安心しました。葡萄も順調に育っているようですので、今年もワイン造りをとても楽しみにしています。

 

Q. 最後に、将来の展望をお聞かせください。

A. 今はロングアイランドのみでワインを製造していますが、近い将来、ブルックリンにワインを造る施設を設けることを計画しています。お客さんにもワインを造る過程を見て、もっとニューヨークワインを知ってもらいたいですから。

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Brooklyn Oenology Tasting Room
209 Wythe Avenue #106 Brooklyn, NY 11211
http://www.brooklynoenology.com/index.html


BROOKLYNIZE Press : Mai
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